先日開催された全日本学生柔道優勝大会において、日本大学が28年ぶりの優勝を果たしました。
今回の勝因は、何よりもチーム全員が一丸となって戦えたこと、そして巡ってきた運や流れを確実に味方につけて、最後まで集中力を切らさずに戦い抜けたことにあると感じています。
ポイントを取るべきところではしっかりと取り、絶対に引き分けなければならない場面では何がなんでも粘り切る。
各選手がそれぞれの役割をしっかりと果たし、「自分たちの勝ち」を自らの手で掴み取った、そんな勝利だったと思います。
準々決勝では、優勝候補の最有力とされていた東海大学が敗退するという波乱がありました。
そうした予期せぬ展開にも動揺せず、確実に流れを引き寄せて、一切の隙を見せない素晴らしい試合を見せてくれました。
実は私自身、学生時代に4年間で3度決勝に進出し、いずれも東海大学に敗れた苦い記憶があります。
特に2年生のときの大会は、今回と同様にチーム全員が一体となり、それぞれが役割を果たし、流れと運も味方につけて決勝まで勝ち上がりました。
決勝では先に3点を先取し、誰もが「これは勝った」と思った瞬間がありました。
おそらく日大関係者だけでなく、会場全体がそう感じていたのではないかと思います。
しかしそのあと、まさかの3点を返され、代表戦にまでもつれこみ、最後は私が敗れてチームの負けが決まってしまいました。
あのときの一瞬の油断が、日本大学にとっての“優勝”を遠ざけてしまったことは、今でも強く心に残っています。
それから13年。
その悔しさを晴らすような、後輩たちの堂々たる戦いに、関係者一同が心から感動したことは間違いありません。
ぜひ皆さまにも、この熱い思いを今後の応援に変えていただき、日本大学柔道部のさらなる飛躍を、共に支えていけたら嬉しく思います。