「紙一重」
勝負の世界(格闘技やスポーツ、経済界など様々な場面)で、よく聞く言葉です。
当然、柔道の試合でも紙一重の勝負があります。
一瞬でも気を抜けば、一本を取られるリスクがあるため、すべての試合が紙一重とも言えます。
この紙一重の試合を勝ち抜くためには、自分を信じられるかどうか、これがカギになるのではないかと考えています。
とある卒業生にこんな話をしたことがあります。
1年生のときは、試合で組み勝っても技をかけることが怖くて勝てなかったが、コツコツ努力を重ねていき、上級生となり、これ以上やることはないと吹っ切れたら、これで負けたら仕方ないと思えるようになったとのことでした。
4年生時には、全国でも入賞できるほどの実力をつけ、試合中にあたふたすることなく試合ができるようになったと。
これで負けたら仕方ないというところまで吹っ切るためには、
圧倒的な稽古量を積むことで、自分の得意パターンの確立したり、自分の弱点を理解して対策したりして、柔道スタイルを作り上げる
柔道スタイルに合った、トレーニングを妥協なくやりこむ
質の高い食生活を心掛けることや、適切な水分補給や捕食の摂取、睡眠時間を確保する
身の回りを整理整頓したり、周囲に感謝の気持ちを持つことを自然にできるようになる
学業面では、きちんと単位修得する…..など
列挙してみると大変な作業のように感じますが、当たり前の小さなことを、毎日一つひとつ、大切に積み上げていくことで、これで負けたら仕方ないと思えるようになるのかもしれません。
とはいえ、努力の仕方はそれぞれ違うものであり、答えはありません。
試合をする相手は、筋肉量が倍以上違う相手でもなければ、年齢もさほど変わりません。
紙一重の勝負は、日々の努力がもたらす、自分を信じる力で勝ち抜けるのだと思います。
日大柔道部の紙一重の勝負を、試合場で見ていただけたらと思います。